パークシティ武蔵小杉 ステーションフォレストタワー 公式ホームページ

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台風19号被害「あの日、ステーションフォレストタワーで 何が起こっていたか」No.2

台風19号被害「あの日、ステーションフォレストタワーで 何が起こっていたか」No.2

2020/4/11

10月13日(日)

起床すると異様な静けさに耳が痛い。電気はまだ点かず。電源がないのでインターネットも不通。
情報源は充電が残ったスマートフォンのみ。
玄関ドアを開けるも内廊下は真っ暗。いつもなら停電しても非常灯が点灯しているのに。自動ドアは開放され、ガラス面に1枚の貼り紙が。そこには「電源は当分復活しません」とあり、絶望的な気持ちになった。

LINEのオープンチャットが開始され、開始1時間で600人以上の参加があった。住戸数647戸、推定居住人数1500人程度と考えると驚異的なペースだった。
オープンチャットは、その後本人確認を行ったものに変更され1000人近くが参加し現在も運営されている。

この時点でわかったのは、管理会社の調査で地下3階は1m50cmほどの水、およそ7000tの水がたまっていること。受電設備がある3つの借室(受電設備)のうち、屋上にある1つを除く2つが浸水し機能していない=停電、インターネット設備ならびに携帯電話の屋内アンテナ設備も浸水し故障、上水/下水のポンプが故障、エレベーターも停電より早い時間に風の影響で故障したことなどがわかった。これにより、生活に必要な電気、水道、トイレ、インターネット、高層階の携帯電波、消火設備といったインフラが不通で、居住は事実上不可能な状態なのを再確認した。水を抜かない限り電気設備の復旧に必要な調査すらできない。まずは水を抜くことが先決となった。管理会社は既に4社のポンプ会社に打診し、水の抜き取り作業が開始されていた。
エントランスを出ると、街全体の清掃がいたるところで始まっていた。

ニュースでは根も葉もないデマが蔓延していたが、それらを相手する余裕などなく土嚢代わりに利用した備蓄保存水を洗い、乾燥させるなど各自協力して淡々と清掃作業を実施した。

理事長自らが近隣のマンション・商業施設に協力を打診し、避難場所やお風呂の提供など多くの協力を頂いた。
また、この日防災・防犯委員会と理事会・理事会経験者の有志で結成された「災害対策本部(自主防災組織)」が設置された。

(No.3に続く:近日公開予定)

※本稿はNPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント機関紙「こすぎの風11号」(2020年4月1日発行)に寄稿したものです。